「指輪物語」とは 


作者のトールキンはオックスフォード大学で歴史言語学を教える教授であり、また幼少時から言葉に興味を持ち、自分の楽しみとして言語を作り出したりするような人だった。この人が豊かな想像力に加え、自身の言語学や神話の知識を総動員して創り上げたのがこの「指輪物語」である。
しかしトールキンは最初からファンタジーを書こうとしたのではなく、その意図について、「自分が創りだした言語(エルフ語)の土台となる世界を創ろうとしているうちに、このような話ができてしまった」のであり、また彼はギリシャや北欧、さらにはアイルランドには優れた神話があるのに、自国のイギリスには体系化した神話がないことを嘆き、「自分の国に神話を与えようとした」試みとしてこの作品を書いたとしている。

執筆には足かけ13年。しかも途中で第1次世界大戦に従軍するなどして、執筆は大幅に遅れた。しかし1950年代に発刊されると、たちまちベストセラーとなり、現在では50ヵ国以上の国と言葉で出版されているロングセラーである。

そもそもトールキンは「準創造」と称して、天地創造から始まり、3万年以上に渡る架空の歴史をこしらえた。この歴史は主に「シルマリルの物語」の方に述べられているが、「指輪」はその第3紀の終わり、エルフの時代が終わり、第4紀の人間の時代に受け継がれていく時点での出来事である。