トールキン著作集 (日本語版) 

トールキン解説書 ・ トールキン著作集(洋書)

 

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旅の仲間 上   訳者:瀬田 貞二
昭和47年2月発行  評論社
言わずとしれた「指輪物語」。わたしが持っているのはいわゆる「旧版」である。寺島龍一氏の挿絵も素朴な味わいがあって、中つ国の雰囲気を充分に伝えてくれる。当時、文庫版も出たが、当時の文庫版は全6巻で、活字が一般の文庫本よりも更に小さく、非常に読みづらい代物だった。
瀬田貞二氏の訳文は非常に格調高い物で、(現在となっては少々古めかしいという感想も聞くが)当時、一部誤訳があると騒がれた事もあったが(ビルボのホビット穴の記述が不正確など)日本の翻訳史上に残る名訳だと思う。
ただ後書きによると、訳ができしだい発行されたという経緯もあり、訳語の不統一なども一部に見られる。(わたしが見つけた例では、序章のところに「アラゴルンの物語」と「アルウェン」とあるが、これは当然「アラゴルンとアルウェンの物語」である)


旅の仲間 下   訳者:瀬田 貞二
昭和47年2月発行  評論社

二つの塔 上  

訳者:瀬田 貞二

昭和48年6月発行 

評論社

二つの塔 下  

訳者:瀬田 貞二

昭和48年12月発行 

評論社


王の帰還 上

訳者:瀬田 貞二

昭和49年12月発行 

評論社


王の帰還 下  

訳者:瀬田 貞二

昭和50年2月発行 

評論社

☆この「王の帰還 下」の表紙絵はネタバレだとどこかで読みましたが、確かにそう言われてみればそうですね。(^^; まだ最後まで読んでいない方はクリックして大きな画像を見ない方がいいかも…です。(笑)


新版指輪物語 追補編 訳者:瀬田貞二・田中明子
1992年5月発行 評論社
新版と旧版の違いは主に固有名詞の訳し方にあります。瀬田貞二氏の文体はほぼ変わりはなかったので、わたしは新版は買いませんでした。ただ旧版は残念な事に補遺Appendicesが一部しか訳されていません。この追補編はヌメノールやエオル、ドゥリンの年代記や、「指輪物語」の精密な一日単位の記録、ホビットの家系図、またエルフ語やドワーフ語の表記など、非常に面白い内容がびっしりと詰まっています。


ホビットの冒険

訳者:瀬田 貞二

1965年11月発行 

岩波書店

こちらは岩波から出ていますが、挿絵は「指輪物語」と同じく寺島竜一氏が描いています。時間的には「指輪」の前に来る話で、ビルボが主人公ですが、ビルボが「一つの指輪」を手に入れた経緯、またスメアゴルとのやりとりなども書かれています。山本氏訳のホビットとの訳文の差はこちら。(別窓で開きます)


ホビット

訳者:山本 史郎

 1997年11月発行

原書房

上の瀬田氏訳とは異なる、山本史郎氏訳のホビット。二つの違いは単に訳文が違うというだけである。ただこちらのホビットは、各国で出版されてた「ホビット」の挿絵がいたるところに挿入されており、また注釈も非常に細かい。実は「ホビット」が何度も書き直されたという経緯はこの本を読んで始めて知った。訳文はどちらを取るかは読者の好みであろう。(個人的には瀬田氏の訳の方が遥かに好きだが)
わたしはこちらのホビットはもっぱら細かい注釈を研究用に愛用している。(実は本文は通して読んだ事がない(^^;)


シルマリルの物語(上、下)

訳者:田中 明子

 

評論社

トールキンが「準創造」に取り組んだ「中つ国」の歴史を書き表した本。「中つ国」の創造に始まり、人間の時代となる第4紀まで3万年に及ぶ歴史が書き記されている。物語と言うよりも記録とでもいった形で、「指輪」に比べると遥かに読みづらい。
物語として語るには膨大過ぎて、記す時間がないと悟ったトールキンが、記録形式で残したのではないかと思えるほどの長大な歴史である。おかげで登場する固有名詞の数も膨大で、覚えきれないほどだ


農夫ジャイルズの冒険 吉田新一 訳 堀内誠一画
1972年5月刊 都市出版社
この本もトールキンをトーキンと表記している。
後に「トールキン小品集」に収められる事になった「農夫ジャイルズの冒険」は最初はこの出版社から発行された。
版権の関係からだろうか、「小品集」の方には収められたポーリン・ベインズの挿絵はなく、その代わりに堀内誠一氏がポーリン・ベインズの絵に似せた挿絵を挿入している。吉田新一氏の訳文は「小品集」の物と変わらない。


ファンタジーの世界

訳者:猪熊洋子

1973年1月刊 福音館書店
1973年に発行されたこの本では原著者の名がトーキンになっている。原書では本書On Fairy Storiesは「ニグルの木の葉」と合わせて出版されているが、邦訳ではエッセイの方のみを収めてある。
トールキン自身がファンタジーとは何か、妖精物語とは何かについて書いたエッセイが収められおり、その起源や、また真の妖精物語は矮小化された妖精とは異なることなどが述べられている。
「回避、逃避、慰め」と題された章で、「ファンタジーには確かに逃避の一面はあるが、それと同時にファンタジーは慰めを与える一面も持っている」というくだりが一番好きなところだ。ファンタジーのマイナス面も含め、その有り様を充分に理解したトールキンならではの一文だと思う。


トールキン小品集

訳者:吉田新一、猪熊洋子、早乙女忠

昭和50年3月刊 評論社
星をのんだかじや」「ニグルの木の葉」「農夫ジャイルズの冒険」そのほか「トム・ボンバディルの冒険」というタイトルの詩集が収められている。
特に「トム・ボンバディルの冒険」はタイトルの通り「指輪」の世界とも連動しており、「指輪」の読者ならにやりと笑いの浮かぶこと請け合いの詩が何編か入っている。
「星をのんだかじや」はOn Fairy Stories(邦訳「ファンタジーの世界」)に見られるような真の妖精物語との関わりを描いているし、また「ニグルの木の葉」に登場する画家のニグルはトールキンの化身のように思えてならない。ニグルは絵を描きたいのだが、常に雑用やパリッシュという隣人に邪魔をされる。その葛藤が描かれるのだが、このパリッシュはトールキンにとって大学教授としての雑務を現しているのではないかと思える。しかし最後にニグルの描いた世界の中に生きる二人に救いの姿を見ることができる。


サンタ・クロースからの手紙 

編者:ベイリー・トールキン 訳者:せたていじ

昭和51年12月刊 

評論社

トールキンの息子クリストファーが3歳の頃、トールキンにサンタクロースはどんな人で、どこに住んでいるのかと尋ねた事があった。それをきっかけにトールキンは毎年クリスマスが近づくと、自筆の「サンタクロースからの手紙」を子供達にプレゼントするようになった。最初の年はサンタクロースの自画像(?)と住みかとが書かれているだけだが、やがて邪魔ばかりする北極熊や、おもちゃを送る工場、サンタクロースを手伝う雪の子達といった具合に登場人物も広がり、ちょっとしたストーリーも込められた物となっていった。サンタ・クロースはイルベレスという名のエルフを秘書にやとい、エルフたちはゴブリンの襲撃からサンタクロースの家を守ったりもする。この手紙は20年以上もの間、子供達が大きくなっても続けられた。本書は絵本ながらも、トールキン自身が描いた柔らかな色彩の素朴な絵を元に、トールキンのもう一つの世界に触れることができる。


ビルボの別れの歌

訳者:脇 明子 絵:ポーリーン・ベインズ

1991年11月刊

岩波書店

これはビルボが裂け谷を出て灰色港に赴き、他のエルフ達やガンダルフやフロドなどと合流し、西の地を目指すまでを描いた絵本である。
画家は「ナルニア国物語」や「トールキン小品集」などでおなじみのポーリン・ベインズ。絵の美しさもさることながら、ビルボの心情を詩の形で綴った文が各ページに掲げられ、また絵本はページが上下二つに分割されて、下の方には「ホビットの冒険」の内容がこれまたベインズの華麗な絵で綴られている。
絵も非常に細かく正確に描かれていて、たとえばガンダルフやガラドリエルなどはナルヤやネンヤなどのエルフの指輪をはめている。
脇明子氏による解説も詳しく、その意味でも楽しめる絵本である。

仔犬のローヴァーの冒険 

訳者:山本史郎

1999年6月刊 

原書房

1925年にトールキンがおもちゃをなくした子供のために即興で語り始めた童話。童話でありながらトールキンお得意の様々な仕掛けが登場するユーモアにあふれた明るい作品になっている。




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