英語の勉強法についての私見
  


  1 根本的原則:英語力を身につけるのには(他の学問同様)近道はない
   


まず根本について述べておきましょう。まさにことわざのThere is no royal road to learning.(学問に王道なし)そのままです。(ちなみにここのroyal roadとは近道の事。またlearningは動名詞で、toは不定詞ではなく前置詞。なので、toの後でもlearningとing形が来ています)英語が短期間でみるみる伸びる方法なんてありません。あったら私が知りたい。あったらとんでもないベストセラーになっているでしょう。逆に言えば、短期間で英語力が身につくかのように歌ってある参考書、英会話本などは、かえって疑いの目を持って手にとってください。

英語に限らず外国語が苦労もせずに短期間で身に付くなんてうまい話はありえません。(確かにバイリンガルの環境に子供の頃から育って…というような例はあります。が、バイリンガルに育った子供も、よほど優秀な子供でない限り、他の何か(日本語力、他の学力など)を犠牲にしている事が多いのです。私の知り合いのほぼバイリンガル環境で育った人は、英語はぺらぺらでしたが、漢字が苦手で新聞を読むのが嫌だとよく言っていました。彼女には可哀想ですが、新聞を読むのをいやがっていたら立派な社会人とは言えません)


  2 英語はある程度は、基本的な構文や単語を暗記しなければ物にならない。
   

世の中には実に様々な種類の英語の参考書や英会話の本が出回り、果たしてどのように勉強すればよいのか、素人にはさっぱりわからない状態だと思います。しかし本当に英語を身につけようとしたら、ある程度は構文や単語は暗記しなければなりません。

あの「ドラゴン桜」で果たして英語をどうやって教えるのか、興味を持って見ていましたが、最初に「例文100文暗記」と言う、実にオーソドックスは勉強法を示された時には、半分がっかりもしましたが、反面ほっとしました。
あの一見奇抜そうな勉強法を紹介しているような「ドラゴン桜」ですら、こと英語に関しては、「基本構文の暗記」から始まっているのです。(この「例文100文」は「ドラゴンイングリッシュ」という参考書で出版されていますが、書店で読んだ限りでは私の感想は「悪くはないが、特に良くもない」というレベルの物でした)さてそれでは「どの構文を暗記すればよいか」「どの参考書を使えばよいか」という問題になりますが、その答えとしては私に言わせれば「どの参考書を使っても同じ」です。

私はさまざまな参考書に目を通しましたが、一応名の通った参考書ならば、一定のレベルはクリアしています。要はそれを使いこなせるかどうか、さらに参考書の内容を自分の物にできるかどうかが問題なんです。(買っただけで積ん読では何もならないのはわかりますよね)ただ参考書については後で別に述べたいと思います。


  3 英語を身につけるには、量をこなすことが重要である。
  

日本の英語教育がうまくいっていないという事でよく引き合いに出されたのが「アメリカでは3歳の子供も英語をしゃべってる」でした。さすがに現在こんな事を言う人もいませんが、これは当たり前で、3歳といえど、朝から晩まで英語のシャワーを浴びていれば(日本人は日本語のシャワーを浴びています)英語が話せるようになるのは当たり前。日本に住んでいる普通の学生はどうがんばっても英語のインプット量は圧倒的に足りません。
ですから、インプット量が少なくても何とか効率的に英語力を身につけようと、「重要構文」なる物をまとめた参考書が出回るんです。
それ自体は決して悪いことではありません。参考書はどれをとってもいわゆる重要構文を一通り網羅し、それぞれを解説して例文が提示されています。しかし要は上にも述べたことを繰り返しますが、それらの重要構文を覚えきれるか、という事なんです。

ドラゴン桜では例文100文暗記と言っていますが、どんな例文でも100も暗記すればかなりの英語力のアップは期待できます。それが難しくて、なかなか100も暗記できないから皆苦しんでいる訳なんです。


   4 量をこなすには、継続的にインプットすることが大切。
    継続的にインプットするためには自分の好きな事から続けていこう。
  

つまり大量のインプットをこなすことができれば、ネイティブが誰でも話せるように、誰でもどんなやり方でも伸びるのはあたりまえなんです。
交換留学生や海外に移住した日本人の学生に対し、現地の先生が「とにかく英語の本を読め」と指導することがよくあります。きちんとした文を大量にインプットすれば、自然と英語が話せ、書けるようになるのです。(そもそも私たちもこうして大量に日本語をインプットしているから日本語で読み書きができている訳です)
100万語読もう!という本を見かけた事がありますが、これもどんな本でも読めたら伸びます。

まとめて言うと、英語は覚えた者勝ち、そして覚えるためには、続けた者勝ちなのです。

そして続けるコツは、好きな物からとりくむ事です。

私はLOTR(The Lord of the Rings)の大ファンですが、大学時代、初めてLOTRの原書を読み始めた時、朝から晩まで8時間ぶっつづけに読んだ事があります。今ではもう到底こんな事はできないと思いますが、やはり好きだから8時間も読み続けても苦痛ではありませんでした。一律に与えられる自分の興味や関心とはまるで関係ない内容の教科書ではこんな訳にはいきません。

「家○のド○ッピー」というよく知られた(?)教材があります。この教材、当の出版社によると今までに240万人が受講したとの事です。よく見かける宣伝をみると、「英語でトップに!」とか「偏差値が○○上がった」などという体験談が毎回載っています。
この通信教育が始まってからもう十年以上。240万人の英語力がこれだけ上がったとしたら、日本の英語界に一大革命が起こりそうですが、見たところ何事もなく日本は相変わらず平穏です。
これはどういう事でしょうか。ドリッピーの宣伝はすべてでっち上げなんでしょうか?
私はそうは思いません。ドリッピーにはまって朝晩聞きまくった人の中には、ああいった体験談を寄せるような人も本当にいると思います。
しかしヤフオクの英語教材のカテゴリなどを見ると、いつ見てもドリッピーやそれに類する教材が呆れるほど多く出品されています。しかもそのほとんどが新品同様なのです。

ドリッピーを受講した人は累計240万人ですが、そのうちきちんと最後までたどりついた人はどのぐらいいるのでしょうか?(出版社もこういうところをきちんと提示して欲しいですね)ヤフオクにあふれているドリッピー教材の数から考えて、最後まで受講した人はほんの一握りではないかと思われます。

そしてその一握りの中には、なぜかドリッピーに「はまって」しまい、非常に気に入って何度も聞きまくって暗記してしまった人がおり、その人たちは例外なく成績が伸びているという訳です。

私はドリッピーは今から10年以上も前に、ドリッピーを購入した同僚からカセットを借りてダビングさせてもらい、全巻通して聞きました。確かにオーソン・ウェルズの発音は明瞭で聞き取りやすいし、感情もこもっていますが、特に優れた教材だとは思いませんでした。

家出のドリッピーはドリッピーという名のしずくが旅をする話ですが、そのストーリーのあまりの幼稚さにうんざりしたのを覚えています。到底2度も3度も聞く気になれませんでした。しかし中にはオーソン・ウェルズの大ファンで、楽しく聞けたという人もいるかもしれません。
(個人的には別にドリッピーその他の教材を攻撃する気はまるでありません。ドリッピーで成績が伸びた人がいるのも事実ですから、興味があり、やる気があれば受講すればよいと思っています)

つまりはどんな教材でも聞き込めば英語力は伸びるのです。
それならば、自分で聞き込める教材を探せば(作れば)よい。しかもただあるいはただ同然で作る方法がいくらでもあります。
人の好みは千差万別ですが、現在ネット上には実にさまざまな種類のファンが様々な情報を提供しています。その中から自分の好みに合う(そして英語学習に役立ちそうな)サイトを探し、大量に英語を読んでいきましょう。
このサイトではそういったヒントを提供するため、さまざまなサイトにリンクを貼っています。

たとえば自分の好きな漫画やアニメ、映画などは、好きなシーンは台詞を丸暗記している人も珍しくはありません。むろんストーリーも当然頭に入っているでしょう。苦もなく頭に入っている訳ですから、これを使わない手はありません。あとはそれに該当する英文を見つけてきて覚えればいいのです。強制的に与えられる無味乾燥な「暗唱例文」などよりは遙かによく頭に入ると思います。

またこの「覚えた者勝ち」は何も書かれた文章のみとは限りません。メインページで書いているように、最近では廉価なDVDがたやすく手にはいるようになりました。好きな映画やアニメの英語音声を何度も繰り返して聞くことも簡単にできます。2006年からセンター試験にもリスニングが導入されましたが、リスニング力をつけるのに一番いいのはディクテーション(書取)です。好きな映画/アニメの好きなシーンの英語の台詞を何度も繰り返して聞いて書き取ってください。(答えはこのサイトのリンク先のスクリプトサイトから拾ってください)

私はスポーツは苦手で興味がないので、一切とりあげませんでしたが、スポーツファンの方なら、大リーグやNBC,サッカーのワールドカップやオリンピックなどの実況中継を副音声の英語で聞くのも一つの手です。画面を見ていれば試合展開は英語がわからなくても見当はつきます。つまり分かっている内容の英語が流れるので、わかりやすいのです。それにスポーツの中継は、似たような表現が何度も繰り返されます。スポーツ好きな方なら、こうした勉強法もよいかもしれません。

個人的に言えば、私は「指輪物語」や「ナルニア国物語」の大ファンで、Amazonなどで調べていくうちに、指輪もナルニアもBBCによりラジオドラマ化され、その音声がCDになっていることを知りました。(LOTRはCD13本、ナルニアは14本組)また指輪とナルニアの英語の朗読CDも持っています。田舎に住んでいるため車で通勤している人間ですが、車にはこれらのCDを積み、通勤時には必ずとっかえひっかえ聞いています。また以前には好きな映画の音声だけをカセットに落とし、それらを聞いていた事もありました。これが「私のドリッピー」です。


  5 文法なんかいらない。会話がしゃべれるようになりたい、という人へ。
  

単なる挨拶や、相づちをうつ程度だったら確かに文法は必要ありません。しかし少しでも何か考えや意見を伝えようとすると、しかも自分の言いたいことを正確に伝えようとすると文法の知識は絶対に必要です。

内容のある自然な会話の見本として、英訳漫画やリンク先の英語のスクリプトを読んでみてください。漫画の台詞でも結構複雑な文や文法が使われているのがわかると思います。
現在私は、日常的に英語でメールのやりとりをしたり、英語掲示板で読んだり書きこんだりしていますが、少し複雑な内容を書こうとすると、自分の文法の知識や覚え込んだいわゆる暗唱例文などを総動員して書いています。

確かにたとえばin とonを間違えても、意味は通じることが多いですが、If I was wrongとIf I am wrongでは意味合いが異なるし、場合によってはI willとI'm going toで意味ががらっと異なる場合もあります。

日本語でメールを書く場合でも、内容がうまく伝わらないこともあります。ましてや不自由な英語で書く場合には、よほど注意しないと正確には伝わりません。
言いたいことを正確に伝えるためには文法は絶対に必要!というのが私の持論です。


  6 補足:参考書など
  

もしあなたが学生、あるいは卒業したてで、学校で買った参考書があるなら、それで結構です。買う必要はありません。新しい物が欲しければ書店で探せばいいでしょう。そのとき自分で手にとって、使いやすそうかどうかフィーリングで決めてください。上にも書いたように、ある程度名の通った出版社の物のある程度の量があるものならば(いわゆる参考書としての分厚さがあれば)一定のレベルはクリアしています。後は、2色刷がいいのか、派手なカラー印刷がいいのかなど好みで決めればいいです。単語集も同様です。だいたいどれをとっても同じです。(それに学生だったら、定期考査などは学校の指定の参考書から出題されると思います。やはり学校指定の参考書や単語集をベースにしてください)

だいたい参考書や単語集などを買っても、そこの載っている例文や単語をすべて覚える人など滅多にいません。参考書は「こういう構文があり、こういう例文があるのだな」というまさに参考にする本にとどめておけば結構です。

あとは自分の探してきたお気に入りの内容の文を暗記して、構文を覚えていきましょう。むろんそういった英文では重要構文の全部を網羅することは不可能です。ですがどこにも見つからない構文は参考書で覚えていけばいいのです。単語も同様です。

○いわゆる「萌え単」について
「萌え単」は(最近ではサブリーダーも出ています)上に書いたような「好きな物で覚えよう」の精神が生かされた(?)単語集(構文集)だと思います。普通の参考書や単語集よりも覚えやすいと思えば使えばいいと思います。くどいようですが、覚えた者勝ちです。「何を使って覚えたか」は一切問われません。覚えればいいんです。

ただ難点をあえてあげておくと、まず細かい事はいちいちあげませんが、ところどころ間違いが目につきますし、また間違いとは言えなくても、英文として不自然な文が多くあります。(これらはAmazonの書評でも指摘されています)これだけ売れた本でnative checkがなされていないのが不思議ですが、奥付を見る限り、チェックが入ってなさそうです。

○「ドラゴンイングリッシュ」について
確かにこれ100文で、センター試験などに必要な一応の重要構文は殆ど網羅しています。また単語も100文の中にうまく埋め込まれていて、効率よくセンター必修語が覚えられるように作ってあります。

これで漫画の登場人物のように「これを覚えればいいのね」と苦もなく覚えられる人は覚えてください。それなりに英語力はつくと思います。

ただこの100文、普通の参考書などでみかけるいわゆる暗唱例文に比べて、遙かに長く複雑です。しかも内容もあたりきりでまるでおもしろみに欠けます。「例文は英語学習の為に覚えるんだ。面白くなくたっていい」という人は覚えてください。私はそんな文を覚えるのは嫌だし、つまらない文を100個も覚えられません。

ですから結論としては「ドラゴンイングリッシュが覚えられる人は覚えればいい。しかしつまらない文がなかなか覚えられない人にはお勧めしませんよ」といったところです。


  6 このサイトについて
  

当サイトは、個人の興味・関心に従って、それぞれの個人が自分好みの教材を自分で作るのを手助けする目的で運営しています。決してこのサイトで勉強するだけでいい、なんて大それた事は言いません。無理です。

基本的には学校に通っている人は学校での勉強を、また個人で英語をやり直そうとする人は、独習向けの学習書をベースに勉強してください。このサイトで提供している勉強法や情報は、それらにプラスアルファして楽しく覚えていく方法です。

こんなサイトを作ってしまったのも、ひとえに私が怠け者で、好きな物でなければ勉強したがらないような横着な人間だからです。こんなぐうたら人間が集めた情報ですが少しでもあなたの英語学習に役立てば幸いです。


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