対訳:ナルニア国物語 第1章 ライオンと魔女

英語は講談社英語文庫 ナルニア国物語 ライオンと魔女 によるものです。
日本語およびページ数は岩波少年文庫の瀬田貞治訳「ライオンと魔女」の物です。

CHAPTER I Lucy looks into a Wardrobe

第1章では疎開先のお屋敷に預けられた4人の子供達のうち、末っ子のルーシィが初めて衣装だんすの中を通ってナルニアに足を踏み入れるまでが語られます。細かい難しい単語は気にせず大まかな流れを捕らえるつもりで読んでいってください。
P10
「ぼくたち、まったくついてるよ。」と年上のピーターがいいました。「とてもすばらしいことがおこりそうだな。あのおじいちゃん、ぼくたちのすきなことをさせてくれるよ。」
「あのひと、いいひとだわ。」とスーザンがいいました。
「なんだ、そんなこと、ほっとけよ。」エドマンドという子は、すぐにつかれるくせにそのようすをみせまいとして、決まって意地悪になるのです。
"We've fallen on our feet and no mistake," said Peter. "This is going to be perfectly splendid. That old chap will let us do anything we like."
"I think he's an old dear," said Susan.
"Oh, come off it!" said Edmund, who was tired and pretending not to be tired, which always made him bad-tempered.
fall on one's feet=落ちてもうまく足で立つ→運がよい(猫が落ちてもちゃんと足でたつことから) and no mistake=確かに、間違いなく  perfectly=完全に、申し分なく  splendid=すばらしい  chap=人、男 
let+人+原形=人に〜させてやる  anything=何でも  come off=手を引く、〜から降りる 
pretend=〜のふりをする→pretend toで「〜するふりをする」ここではpretend not to--なので「〜でないふりをする」という意味です。

,which関係詞のwhichの非制限用法ですが、ここでは先行詞は前の"who was tired and pretending not to be tired"全体です。「疲れていても疲れていないふりをしたこと」でエドマンドは不愉快になっているのです。
make+O+C=OをCにする ここでは「彼の機嫌を悪くした」という意味。   bad-tempered=機嫌の悪い

空襲を逃れて学者先生の家に疎開した兄弟たち。実際にルイスも第2次世界大戦当時、自分の家に疎開してきた4人の子供達を迎えました。空襲や疎開は、原作ではわずか数行触れられているだけですが、ルイスの心にはどんな影響をおよぼしていたのでしょうか。
P11
「ほんとに、みんな、もう寝たほうがよくない?」とルーシィがいいました。「わたしたちの話し声がきこえたら、おこられるにきまってるわ。」
「そんなはず、ないね」とピーター。「というのはね、ぼくたちが何をしようと、気にかける者がひとりもいない家だからだよ。」
"Hadn't we all better go to bed? said Lucy. "There's sure to be a row if we're heard talking here."
"No there won't," said Peter, "I tell you this is the sort of house where no one's going to mind what we do.
had better=〜したほうがいい(結構強い意味なので、この文のように自分を主語として使う以外は気をつけたほうがいいです)このhadは助動詞なので、Hadn't we better---? (〜したほうがよくない?)と疑問文になっています。
be sure to=必ず〜する  row=騒動  
hear+人+--ing=人が〜しているのを聞く→ここではこれが受け身になって、we're heard talking「私たちが話しているのを聞かれる」となります。

sort of=一種の、〜みたいな、〜のようなもの  mind=気にする  what we do=私たちがすること

ちなみにほとんど登場しないこの教授、実は第6巻、第7巻あたりですごい重要人物だったとわかってきます。ルイスが最初からこの事を設定してこの話を書いたのは明らかなのですが…。
P12
「ああ、もちろん雨になるにきまってたよ。」とエドマンドがいいました。

「ぐずぐずいわないでよ、エド。」とスーザンがいいました。「十中八九、一時間ぐらいのうちに、あがるわ。」
"Of course it would be raining!" said Edmund.
.....
"Do stop grumbling, Ed" said Susan. "Ten to one it'll clear up in an hour or so."
would =〜するのはよくあることだ  Do stop→Doは単に強調です。 grumble=不平を言う  ten to one=十中八九、たいてい(日本語と発想が異なりますね)  clear up=晴れる   in an hour=一時間で   or so=〜かそこら
P14
ルーシィだけが残りました。そのたんすに鍵がかかってることはまずたしかだとは思いますが、ドアをあけてみるぐらいは、やってみるねうちがあると思って、ひとりだけふみとどまったのです。ところがおどろいたことに、ドアはいともかんたんに、あくではありませんか。あけたひょうしに、ぼろぼろと、しょうのう玉が二つ、ころがりでてきました。

ルーシィにとって、毛皮のにおいをかいだり、毛皮にさわったりするほどすきなことはありませんでした。
She stayed behind bcause she thought it would be worth while trying the door of the wardrobe ,even though she felt almost sure that it would be locked. To her surprise it opened quite easily, and two moth-balls dropped out..... Lucy liked so much as the smell and feel of fur.
worth while --ing =〜する価値がある  even though=〜であるにしても、たとえ〜としても(even ifと異なり、even thoughは「実際に〜だけれども」の意味を表す)
feel sure that SV =きっと〜だと感じる  to one's surprise=驚いたことに
P15
その荷物とこの雪ですから、まるでクリスマスの買い物の帰りといったところです。――この人は、フォーンでした。…
フォーンはルーシィを見ると、あんまりたまげたので、包みを全部落としてしまいました。
What with the parcels and the snow it looked just as if he had been doing his Christmas shopping. He was a Faun. and when he saw Lucy he gave such a start of surprise that he dropped all his parcels.
what with A and B =AやらBやらで as if +had 過去分詞→まるで〜したかのように
(仮定法過去完了の用法です)
such...that →あまりに〜なので....だった=so...that (suchの後には名詞が来ます)  start=びっくり、驚き

ルーシィとタムナスさんとの初めての出会いのシーンです。(^^) それにしてもタムナスさん、クリスマスの買物っぽい格好とありますが、いったいどこへ何を買いにいったんでしょう?彼の家は街灯跡野近くの森の中で近所にはお店などなさそうですが。でもさし絵で見ると、ちゃんと包装した包みを持っていますね。
CHAPTER 2  What Lucy found there/ルーシィの知ったこと

ルーシィはフォーンのタムナスさんの家を訪れ、暖かいもてなしを受けますが、その後フォーンは意外な事実をルーシィに語ります。暖かな家の模様が漠然とつかめれば上々です。
P20
「ごめんなさい、やたらにうかがっては、ぶしつけとは思いますが――あなたは、イブのむすめさんでいらっしゃると、考えてよろしいでしょうか?」 "Excuse me -- I don't want to be inquisitive -- but should I be right in thinking that you are a Daughter of Eve?"
I don't want to be inquisitive =失礼ですが (他にはI don't want to be rude.など)会話文でも実際によく使う表現です。  right=正しい
P22
「わたし、わたしね、あきべやの衣装だんすを通ってきましたの。」
「ああ!」とタムナスさんは、悲しそうな声をだしました。「まだ小さなフォーンだったころ、もっとしっかり地理の勉強をしておいたら、そういったふしぎな国々のことも、まだよくわかるのでしょうがね。おそすぎました。」
"I -- I got in through the wardrobe in the spare room," said Lucy.
"Ah!" said Mr Tumnus in a rather melancholy voice, "if only I had worked harder at geography when I was a little Faun, I should no doubt know all about those strange countries. It is too late now."
get in=中に入る  through=〜を通って  rather=かなり  melancholy=憂鬱な、もの悲しい
if only =ただ〜でさえあればよかったのに!、〜だったらなあ!(ここではif onlyの後にhad workedと過去完了が来ているので、過去の事実の反対を述べる仮定法過去の用法です)
geography= 地理  no doubt=疑いなく、間違いなく  too=〜すぎる

瀬田貞治さんの訳は非常にすぐれた物ですが、何分にも古すぎます。ナルニアも訳文を読んでいて、今の時代には合わない、今時の子供は言わないような表現がときどき見受けられますが、ま、そこは目をつぶって読んでいくとしましょう。
P24
こうしてルーシィは、まるでまえから知り合った仲のようにして、このけものともひとともつかないふしぎな人物と腕を組んで、森の中へふみだしていきました。 And so Lucy found herself walking through the wood arm in arm with this strange creature as if they had known one another all their lives.
find oneself --ing =気づいてみると〜していた  arm in arm=腕を組んで creature=生き物
as if ...had known =まるでずっと知っていたかのように
one another =お互いに all their lives=終世ずっと  
P25
部屋の片すみには、ドアがあって、これはタムナスさんの寝室にいくのでしょう。壁には本棚があって、本がどっさりつまっています。 In one corner there was a door which Lucy thought must lead to Mr Tumnus's bedroom, and on one wall was a shelf full of books.
which Lucy thought must lead to .. →must=〜に違いない lead to =〜に通じる
→ルーシィが…に通じるに違いないと思ったドア(which must lead to...にLucy thought が挿入された形です)

なかなか複雑な文ですが、結構英語ではよく使われます。語順がわかりづらいので、このような例をいくつも読んで理解を深めてください。日本人にはわかりづらい表現ですが、このナルニアは基本的に子供向きに書かれ、平易な表現が使われています。この表現もネイティブの人には、よくみる平易な表現の一つなのですね。
P30
「おー、おー、おー、」とタムナスさんは、すすりあげました。
「わたしは悪いフォーンだから、泣くんですよう。」
「あなたが悪いフォーンだなんて、わたしには思えない。あなたは、とてもいいフォーンだわ。あなたほどすてきなフォーンに、わたし、会ったことないもの。」
「おー、おー、そうおっしゃるけど、あれがわかったら、そうはおっしゃらないでしょう。」とタムナスさんは、むせび泣きのあいまあいまにこたえました。
「とんでもない、わたしは、悪いフォーンですよう。この世のはじまりから、わたしほど悪いフォーンは、いなかったでしょう。」
"Oh -- oh -- oh!" sobbed Mr Tumnus, "I'm crying because I'm such a bad Faun."
"I don't think you're a bad Faun at all," said Lucy.
"I think you are a very good Faun. You are the nicest Faun I've ever met."
"Oh -- oh-- you wouldn't say that if you knew," replied Mr Tumnus between his sobs. "No, I'm a bad Faun. I don't suppose there ever was a worse Faun since the beginning of the world."
sob=すすり泣く  not--at all=全く〜ない  the --est I've ever met=私が会った最も〜な人→こんな親切な人には会ったことがない

you wouldn't say that if you knew.→would、knewと過去形ですが、過去の事ではなく、事実と反対の出来事を述べる「仮定法過去」の文です。
この時点ではまだルーシィは何も知らないので、「もしあれを知ったら」と事実と反対の出来事を述べているのでknowではなくknewを使っているのですj。

I don't suppose there ever was a worse Faun... →この世の最初から(自分よりも)悪いフォーンがいたとは思えない→自分が最も悪い 
P31
「…わたしは、白い魔女に使われている者です。」
「白い魔女?それ、だれなんですか?」
「ナルニアじゅうを、がっちりおさえつけているのが、そいつです。ここをいつも冬にしておくのが、その女です。」
"I'm in the pay of the White Witch."
"The White Witch? Who is she?"
"Why, it is she that has got all Narnia under her thumb. It's she that makes it always winter."
in the pay of =〜に雇われている  It is she that...=強調構文。「〜なのは彼女だ」という意味
be under one's thumb=〜をあごで使う→ナルニア全体をアゴで使うようにした→ナルニア全体を支配している
  make+O+C=OをCにする→ここでmake it always winterでitは天候を表すit.なので「(ナルニアの天候を)いつも冬にした」ぐらいの意味。
P32
「ねえ、イブのむすめさん、まだおわかりにならないんですか?」とフォーンがいいました。
「それは、むかしやたことじゃない、たったいま、ここで、やってるんです。」
"Daughter of Eve, don't you understand?" said the Faun. "It isn't something I have done. I'm doing it now, this very moment."
Don't you understand?=わかりませんか? 否定の疑問文ですね。
this very moment=たった今
CHAPTER 3 Edmund and the Wardrobe/エドマンドの番

次の日、今度はルーシィに続きエドマンドがかくれんぼの最中に衣装だんすを通ってナルニアに入ります。ところが彼がナルニアで出会ったのは…。
P38
「大丈夫よ。」とルーシィはまたくりかえして、「ほら、帰ってきたわ。」といいました。
いったい、なんの話よ?ルーシィ。」とスーザンがたずねました。
「あら、どうして?」とルーシィのほうがおどろいて、「わたしがどこにいってたか、みんな、なんとも思わなかったの?」
"It's all right," she repeated, "I've come back."
"What on earth are you talking about, Lucy?" asked Susan.
"Why?" said Lucy in amazament, "haven't you all been wondering where I was?"
I've come back. →現在完了形です。帰ってきて今、ここにいる、という意味を表しています。
on earth=一体全体  what are you talking about?=いったい何を話してるの?→非常によく使う会話表現です。
haven't you all been wondering..?→現在完了の進行形。「ずっと〜していた」の意味。またここでは否定疑問文になっていますね。
where I was→わたしがどこへいっていたか。間接疑問文なのでI wasと肯定文の語順です。
P40
そこで、みんながのぞきこんで、外套をおしわけてみました。そして四人ともみな―――ルーシィさえも、どこにもある変わりのない衣装だんすであることを、たしかめました。
森もなければ、雪もない、ただのたんすの裏がわの板があって、帽子や衣装をかけるフックがついているだけ。
ピーターがはいっていって、指のふしでこつこつと板をたたいてかたさをたしかめました
Then everyone looked in and pulled the coats apart; and they all saw -- Lucy herself saw -- a perfectly ordinary wardrobe. There was no wood and no snow, only the back of the wardrobe, with hooks on it. Peter went in and rapped his knuckles on it to make sure that it was solid.
look in=のぞき込む  pull=引っ張る  apart=離れて  perfectly=完全に  ordinary=普通の
back=背中、後ろ、背  with hooks on it.→フックがその上について  
rap=軽くたたく  knuckle=指の節  make sure=確かめる
P44
やれ、ありがたいぞ。」とエドマンドがつぶやきました。
「ドアが、はずみでひとりでにあいたにちがいないや。」
エドマンドは、ルーシィのことはすっかり忘れて、あかりのほうへ、つまりたんすのドアがあいたと思ったほうへ、進んでいきました。けれども、あきべやへ出るかわりに、こんもりしたモミの木のしげみをぬけて、森のなかの、木々のないあき地にきていたのです。
"Thanks goodness," said Edmund, "the door must have swung open of its own accord." He forgot all about Lucy and went towards the light, which he thought was the open door of the wardrobe. But instead of finding himself stepping out into the spare room he found himself stepping out from the shadow of some thick dark fir trees into an open place in the middle of a wood.
Thanks goodness=Thank God=ありがたい  must have過去分詞=〜したに違いない 
of one's own accord=自発的に
 
,which he thought was....→まず,whichは関係詞の非制限用法。ここでは先行詞のthe lightを受けて、「そしてそれは」ぐらいの意味です。
彼は街灯の明かりをたんすのドアが開いたと思った訳ですから、それを英語で表すと、
He thought the light was the open door of the wardrobe.となります。そしてこのthe lightが先行詞と同じですから、whichで置き換え,which he thought was the open door....となります。分かりづらい文ですが、これぐらいは児童書として書かれた本書にすら登場します。何度も読んでなじんでください。 
P45
エドマンドは、ようやく、ルーシィをさがしていたことを、思い出しました。そして、「でたらめの国」のことでずいぶんルーシィにつらくあたったことも思いだしました。でも、それがちっともでたらめでないということになったのです。エドマンドは、ルーシィがどこか近くにいると思って、大声でよびました。
「ルーシィ、ルーシィ!ぼくもきたよ。エドマンドだよ。」
He now remembered that he had been looking for Lucy; and also how unpleasant he had been to her about her "imaginary country" which now turned out not to have been imaginary at all. He thought that she must be somwhere quite close and so he shouted, "Lucy! Lucy! I'm here too -- Edmund."
had been→had+過去分詞の過去完了時制です。物語全体が過去の時制で書かれていますが、ここではエドマンドがこの時点よりも前、ルーシィをさがしていたため、過去時制よりもまた前を表す過去完了になっています。

turn out to be=〜であるとわかる、ここではturn out not to have beenで「〜ではなかったとわかる」の意味です。  not....at all=全く〜ではない  must=〜に違いない  quite=非常に  close=近くに  

かくしてエドマンドもナルニアにやってきました。 
P47
そしてそのうしろの、そりのまんなかにあたる、はるかに高い座席には、おそろしくかわったひとが、こしかけていました。
たいへん位の高そうな、エドマンドがこれまで見たことのないほど背の高い、堂々とした女のひとでした。
But behind him, on a much higher seat in the midle of the sledge sat a very different person -- a great lady, taller than any woman that Edmund had ever seen.
behind =〜の後ろに(ここではhimは小人) on....sledgeは場所を表す副詞句。a very different person(白い魔女)が主語で、倒置文になっています。
taller than any woman that Edmund had ever seen→比較級を使って最上級の言い方(今までに見た最も背の高い女性)を表している言い方ですね。
CHAPTER 4 Turkish Delight/プリン

エドマンドに出会った白い魔女は、魔法のターキッシュディライトを与えて、彼をうまく丸め込みます。魔女と別れて後エドマンドは2度目にナルニアを訪れていたルーシィと再会しますが…。
P51
「なんであるにせよ、そちはおろか者とみえる。」と女王がいいました。
はきはきとこたえを申せ。さもないと、がまんがならんぞ。そちは人間か?」
"I see you are an idiot, whatever else you may be," said the Queen. "Answer me, once and for all, or I shall lose my patience. Are you human?"
see= わかる  whatever =何であっても →おまえがそれ(idiot)以外の何者であっても
Answer me....., or ...→命令文+or =〜しなさいさもないと…だ。  lose one's patience=我慢できない、しびれを切らす 
once and for all=きっぱりと
P54
「何もつままずに、飲むのでは、味気ないのう、アダムのむすこよ。」と女王が、すこしして、いいました。
「そちがいちばんすきなものは、なんじゃ?」
「プリンでございます、女王さま」

"It is dull, Son of Adam, to drink without eating," said the Queen presently. "What would you like best to eat?"
"Turkish Delight, please, your Majesty," said Edmund.
dull=つまらない、  without --ing =〜しないで  presently=やがて  would like =want=欲しい

あの有名な(?)ターキッシュディライトのシーンですね。日本語訳ではプリンとなっているところです。ちなみに私も食べたことはありません。インターネットなどで調べてみると、結構作り方は簡単そうなので、一度作ってみようかと思っています。でも材料をみると砂糖で甘みをつけているだけで、あまりおいしそうでないんですが、このターキッシュディライトは魔法で非常においしかったんでしょうね。
P55
はじめのうちは、エドマンドも、口にいっぱいほおばったまま話をするのは、失礼だという礼儀を守ろうとしましたが、すぐにそれを忘れて、できるだけプリンをむしゃむしゃ口へほうりこむことばかりに夢中になりました。
すると、食べれば食べるほど、もっと食べたくなって、なぜ女王がこんなに根ほり葉ほりきくのだろうと考えることができなくなりました。
At first Edmund tried to remember that it is rude to speak with one's mouth full, but soon he forgot about this and thought only of trying to shovel down as much Turkish Delight as he could, and the more he ate the more he wanted to eat, and he never asked himself why the Queen should be so inquisitive.
at first=最初は  try to =〜しようとする  it is 形容詞 to-- =〜するのは〜だ  rude=不作法な
with one's mouth full=口をいっぱいにして   as much--as S can=できるだけ多くの〜
the 比較級...., the比較級=〜すればするほど
inquisitive=詮索好きの 根掘り葉掘り尋ねる
P61
「あんたがきたことがわかってたら、待っててあげたのに。」ルーシィのほうは、ばかにうきうきしてうれしそうで、エドマンドのいやにくってかかるようないいかたや、その顔を赤くしたへんな変わりかたに気がつきませんでした。
「わたしは、フォーンのタムナスさんのところで、ごはんをいただいてきたの。あのひと、元気よ。わたしを逃がしたけど、白い魔女はつかまえにこなかったんですって。魔女が知らなかったらしいの。これでうまくいくだろうって。」
"If I'd known you had got in I'd have waited for you," said Lucy, who was too happy and excited to notice how snappishly Edmund spoke or how flushed and strange his face was. "I've been having lunch with dear Mr Tumnus, the Faun, and he's very welll and the White Witch has done nothing to him for letting me go, so he thinks she can't have found out and perhaps everything is going to be all right after all."
If I had known......I would have waited....→仮定法過去完了の文です。この用法は過去の事実と反することを述べるのに使います。ここではルーシィはエドマンドも来たことを知らなかったので待っていなかった、というのが事実ですね。

too....to-- = 〜するには〜すぎる、あまりに〜すぎて〜できない→あまりに嬉しくて気づかなかった
snappishly=不機嫌に、ぶっきらぼうに  how=どれほど  
let 人 原形=人に〜させてあげる→ここではルーシィを行かせてあげたこと

cannot have 過去分詞=〜したはずがない  after all=結局

つまるところタムナスさんが捕まった原因はそもそもルーシィがエドマンドに話し、エドマンドが魔女に話したからなんですよね。どちらかが話さなければ大丈夫だったわけです…。
P61
「じぶんではナルニアの女王だといっているけど、ちっともその権利がないひとでね、…略…
魔女は、だれをも石にかえることができるし、そのほかあらゆるおそろしいことをするんですって。そのひとは魔法を使って、ナルニアをいつも冬にしているのよ―――いつも冬のくせにクリスマスにはならないんだって。
"She calls herself the Queen of Narnia though she has no right to be queen at all, ...
And she can turn poeple into stone and do all kinds of horrible things. And she has made a magic so that it is always winter in Narnia -- always winter, but it never gets to Christmas.
call oneself=自称する  though=〜だけれども  right=権利  no(t)....at all=全く〜ない
turn A into B=AをBに変える  horrible=恐ろしい  so that SV=SがVするように  get to=〜に達する→クリスマスに達しない=クリスマスにならない
P62
「だれがきみに、白い魔女のいろんなでたらめをしゃべったの?」
「フォーンのタムナスさんよ。」
「フォンのことばなんて信用できるもんか。」エドマンドは、ルーシィよりもずっとよく知っているといわんばかりの調子でいいました。
"Who told you all that stuff about the White Witch?" he asked.
"Mr. Tumnus, the Faun" said Lucy.
"You can't always believe what Fauns say," said Edmund, trying to sound as if he knew far more about them than Lucy.
stuff=話、価値のないもの、がらくた  not always=いつも〜とは限らない  what S V=SがVした事  sound=〜に聞こえる、〜に思われる   as if=まるで〜かのように(仮定法なのでこの後には過去形や過去完了が来ます)  far more=遙かに多く
P62
「帰ろうよ。」
「ええ、帰りましょう。」とルーシィもいいました。「ああエドマンド、あんたもはいってきてくれて、わたし、うれしい。ふたりともここへきたんだから、こんどこそほかのひとたちも信じないわけにいかないものね。そしたら、どんなにおもしろいでしょ!」
"Let's go home."
"Yes, let's," said Ludy. "Oh, Edmund, I am glad you've got in too. The others will have to believe in Narnia now that both of us have been there. What fun it will be!"
have to=〜するしかない、〜しないわけにはいかない  now that=今や〜だから  
Chapter 5  Back on This Side of the Door/ ドアのこちらに、まいもどって

喜びいさんでルーシィはピーターとスーザンに、エドマンドもナルニアに入ったと告げますが、気の変わったエドマンドはすべてルーシィの空想と片付けてしまいます。
一方年上の二人はルーシィの様子を心配し、教授に相談を持ちかけます。しかし教授のアドバイスはおよそ彼らの予想とかけ離れた物でした…。
P66
するとエドマンドは、ルーシィよりはるかに年上じみた、えらそうな顔をして(といっても、たった一つちがいです)、くすくすわらいながら、こういいました。
「うん、話すとも。ルーシィとぼくは、衣装だんすのなかの国という作り話がみんな、ほんとうだというふりをして、よその国ごっこをしてたんだよ。けど、もちろん、じょうだんさ。そんなもの、ありっこないもん。」
And Edmund gave a very superior look as if he were far older than Lucy (there was really only a year's difference) and then a little snigger and said, "Oh, yes, Lucy and I have been playing -- pretending that all her story about a country in the wardrobe is true. Just for fun, of course. There's nothing there really."
superior=優れた、 上の  give a look=見る as if=まるで〜のように(仮定法なので次のbe動詞はwereになっています)  far=遙かに  difference=違い  snigger=snicker=くすくす笑い  have been playing=ずっと遊んでいた  pretend=ふりをする  just for fun=冗談半分に

ルイスが「この物語でいちばんいやなところ」(one of the nastiest things in this story)と言っているところです。ちなみに「うっちゃる」の元はlet down(落胆させる)。
ナルニアを素直に受け入れたルーシィと、それを他の兄弟に信じさせる手間(それと魔女の事もからんで)を考えてしまったエドマンドの違いでしょうか。  
P70
それから先生は、どっしりすわりこんで、両手の指さきをぴったりとあわせて、ひとこともさしはさまずにすっかりふたりの話を聞き終わりました。話が終わってから、かなり長いあいだ何もいいません。やがてのことに、せきばらいをして、まるで思いがけなかった質問をあびせました。
「で、あんたがたは、妹さんの話がほんとうではないと、どこでどうしてきめたのかな?」
Then he sat listening to them with the tips of his fingers pressed together and never interrupting, till they had finished the whole story. After that he said nothing for quite a long time. Then he cleared his throat and said the last thing either of them expected:
"How do you know," he asked, "that your sister's story is not true?"
sat listening=座って聞いた  with+目的語+分詞=目的語を〜して→ここではthe tips of his fingers(指先)をpressed together(いっしょに押し付けて)となります。  interrupt=中断する  till=〜まで  whole=全体の  for quite a long time=非常に長い間  clear one's throat=咳払いをする clear=きれいにする  the last thing =最後の事→およそ〜しないこと  either=どちらも  expect=予想する、期待する
P71
「論理じゃよ!すじ道を立てて考えてみよう。」と先生は、じぶんにいいきかすようにいいました。「このごろの学校では、論理を教えないのかな。ありそうなことは、三つ―――妹さんが、うそをついているか、気がふれたか、ほんとうのことをいっているか、しかない。そのうち、うそをつかないことはわかっとるし、気がちがったのでないこともあきらかだ。してみれば、ほかの証拠がでてきて、ひっくりかえしでもしないかぎり、さしあたっては、妹さんはほんとうのことをいっていると、推論しなければならん。」 "Logic!" said the Professor half to himself. "Why don't they teach logic at these schools? There are only three possibilities. Either your sister is telling lies, or she is mad, or she is telling the truth. You know she dosn't tell lies and it is obvious that she is not mad. For the moment then and unless any further evidence turns up, we must assume that she is telling the truth."
say to oneself=自分に言う、独り言を言う  possibility=可能性  either=どちらか  tell a lie=嘘をつく  mad=気が狂う  truth=真実  obvious=明かな for the moment=さしあたり、当座は unless=〜しない限り  further=一層の、さらなる  evidence=証拠  turn up=現れる  assume=見込む、仮定する 

実はこの一節が、ルイスが再度キリスト教に帰依するに至った論理だと言われています。
つまりキリストの言動はうそをついているか、気がふれたか、ほんとうのことをいっているかの3つしかない。そして彼の人柄から嘘をついてはいないし、気が触れた訳でもない。だからキリストが言っていることは真実だ、という論理です。
P78
「早く!」とピーターがいいました。「ほかにないぞ。」こういって衣装だんすのドアをぱたんとあけました。四人はひとかたまりになって中にはいりこみ、そこにすわりこんで、くらやみの中でどきどきしていました。ピーターはドアをひきよせてはおきましたが、ぴったりしめはしませんでした。もちろんピーターは、ふんべつのある人間なら衣装だんすの中にぴったりとじこもるようなふるまいをするものでないことを、知っていたのです。 "Quick!" said Peter, "there's nowhere else," and flung open the wardrobe. All four of them bundled inside it and sat there, panting, in the dark. Peter held the door closed but did not shut it; for, of course, he remembered, as every sensible person does, that you should never never shut yourself up in a wardrobe.
nowhere=どこにも〜ない  flung<fling =乱暴に〜する →fling open=(ドアを)ばたんと開ける  bundle=押し込む  pant=あえぐ  hold=〜を〜の状態にしておく  sensible=分別のある  shut oneself up=閉じこもる should never=けっして〜すべきでない 
Chapter 6 Into the Forest

さて四人の子ども達がそろってナルニアに入り、本格的な冒険が始まります。まずは彼らはタムナスさんを訪問することにするのですが…。
P80
「おやおや、ほんとだ。見てごらん。あっちもこっちも、あたりは木ばかりだ。それに、しめっぽいのは、雪だよ。やっぱり、ルーシィのいう森へきちまったんだなあ。」とピーターがいいました。
もうまちがいっこありませんでした。四人の子どもたちは、冬の昼間のあかるみのなかに目をぱちぱちさせて立っていました。四人のうしろには、外套かけに外套がずらりとならび、四人の前には雪をかぶった木々が立っていました。
"By jove, you're right," said Peter, "and look there---and there. It's trees all round. and this wet stuff is snow. Why, I dobelieve we've got into Lucy's wood after all."
And now there was no mistaking it, and all four children stood blinking in the daylight of a winter day. Behind them were coats hanging on pags, in front of them were snow-covered trees.


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